会議中に途中で接続が切れたり、映像がカクつく…その原因は実は3種類しかありません。このガイドでは、公式情報に基づいて原因を特定し、5分で実行できる対処法から再発防止まで、論理的に解説します。
Zoomが重い・途中で切れる…本当の原因は「3種類」だけ
Zoomが途中で切れたり、映像がカクつく理由は、実はシンプルに分類できます。原因を特定することが、最短での解決につながります。
- ①回線の問題:通信速度不足、Wi-Fi混雑、ISP側の混雑
- ②PCスペックの問題:CPU/GPU不足、メモリ不足、バックグラウンドアプリ
- ③Zoom設定の問題:HD設定、背景ぼかし、ノイズ抑制の過負荷
この3つ以外の原因は、ほぼありません。大切なのは「どれが自分の環境に当てはまるのか」を特定すること。そうすれば、ムダな対処を避けて、最短で解決できます。
「Zoomが重い」と「途中で切れる」は違う問題
実は、この2つは異なる原因を示唆しています。
| 症状 | 可能性が高い原因 | 優先順位 |
|---|---|---|
| 映像がカクつく・音が途切れる | ①回線 or ③設定 | 回線チェック → 設定最適化 |
| 強制退出・再接続中と表示 | ①回線 or ②PC側の断絶 | 回線テスト → PC再起動 |
| 自分だけ固まる | ②PCスペック or ③設定 | CPU使用率確認 → 設定変更 |
| 時間帯で症状が変わる | ①回線(ISP混雑) | 時間帯別テスト → 回線見直し |
症状別の原因診断フロー
まずは、あなたの症状にピッタリ当てはまるものを探してください。その時点で、原因が絞られます。
「会議が途中で強制退出される」「再接続中と出る」
原因の可能性:回線の一時的な断絶 or Zoom側の障害
次のステップ:Zoomの稼働状況を確認 → 回線速度テスト
「映像がカクカク・音が途切れる」
原因の可能性:通信速度が遅い or Zoom設定が重い
次のステップ:Wi-Fiを有線に切り替え → 設定を軽くする
「自分だけ固まる」「相手に『映像が止まってる』と言われる」
原因の可能性:PC側のCPU不足 or メモリ不足
次のステップ:CPU使用率を確認 → バックグラウンドアプリを閉じる
「特定の時間帯だけ調子が悪い」
原因の可能性:ISP側の回線混雑(夜間など)
次のステップ:回線速度測定アプリで時間帯別に測定 → 回線契約見直し検討
【必須】まず確認すべき3つのポイント
どの症状でも、最初は必ずこの3つを確認してください。多くの問題はこれで解決します。
①Zoom側の障害を確認する
自分の環境が悪いのか、Zoom側の障害なのかを切り分けることは重要です。
- Zoomステータスページにアクセス
- 日本の稼働状況を確認
- 「Operational」(正常)なら、問題は自分の環境の可能性
- 「Incident」(障害)なら、回復を待つ
②通信速度を測定する
Zoomに必要な通信速度は、以下の通りです。
| 機能 | 推奨上り速度 | 推奨下り速度 |
|---|---|---|
| 音声のみ(1対1) | 0.05 Mbps | 0.05 Mbps |
| 標準ビデオ(HD無し) | 1.2 Mbps | 1.2 Mbps |
| HDビデオ(1080p) | 2.5 Mbps | 3.8 Mbps |
| グループビデオ(4人) | 2.5 Mbps | 4.0 Mbps |
- Speedtest(Ookla)にアクセス
- 「GO」ボタンをクリック
- 「下り速度」と「上り速度」を記録
- 下り 5 Mbps、上り 2.5 Mbps 以上なら OK
- 同じ時間帯に3~4回測定して、平均値を確認
- Wi-Fi接続なら、ルーターの近く(2m以内)で測定
- VPN使用中なら、VPN接続を外して測定
③Wi-Fi混雑を確認する
マンションやオフィスでのWi-Fi混雑は、見えない敵です。
- 夜間(19:00~23:00)に特に遅くなる
- 朝は速いが、夜は遅い
- 同じWi-Fi名(SSID)が複数見える
- 有線LANに切り替えると改善する
有線化が最短の解決策です。USB有線LANアダプタ(¥1,000~2,000)を使うだけで、安定性が劇的に改善することが多いです。
環境別・症状別の具体対処法
パターンA:回線が原因の場合
症状:映像がカクつく、音が途切れる、時間帯で症状が変わる
詳細な対処手順
有線LANアダプタの接続方法(USB Type-C)
- USB有線LANアダプタをPCのUSBポートに接続
- LANケーブル(ルーターから)を接続
- Windows:デバイスマネージャー → ネットワークアダプタで認識確認
- 設定 → ネットワーク → イーサネット → Wi-Fiをオフ
- Zoomを再起動して確認
ルーターの最適な位置設置
- ルーターを 高い位置に配置(床から1.5m以上)
- 金属製品・水槽の近くを避ける(電波干渉)
- ルーターとPC間に障害物がない状態
- 2.4GHz(遠距離)から 5GHz(高速)への切り替え検討
パターンB:PCスペックが原因の場合
症状:自分だけ固まる、相手に映像が止まってると言われる
CPU使用率の判定基準
| CPU使用率 | 状態 | 推奨アクション |
|---|---|---|
| 0~50% | 正常 | 特に対処不要 |
| 50~80% | 注意 | バックグラウンドアプリを確認 |
| 80~100% | 要対応 | アプリを閉じる、Zoom設定を軽くする |
【Windows】CPU使用率の確認方法
- Ctrl + Shift + Esc を同時押し(タスクマネージャー起動)
- 「プロセス」タブを確認
- 「CPU」列でソート(降順)
- 80%以上を占めるアプリを特定
- Zoomと無関係なアプリを右クリック → 「タスクを終了」
【Mac】CPU使用率の確認方法
- Spotlight検索(Cmd + Space)で「アクティビティモニタ」を検索
- 「CPU」タブを選択
- 「%CPU」でソート(降順)
- 80%以上のプロセスを確認
- 不要なアプリを強制終了
パターンC:Zoom設定が原因の場合
症状:HD設定、背景ぼかし使用時に特に重くなる
Zoom設定を軽くする(Windows/Mac共通)
1. HD設定をオフにする
- Zoomを開く → 右上「プロフィール」アイコン
- 「設定」を選択
- 「ビデオ」→ 「高品質ビデオ」のチェックを外す
2. 背景ぼかしをオフにする
- Zoomプレビュー画面の「背景を選択」
- 「なし」を選択 or 「ぼかし」から「仮想背景」に変更
- ※仮想背景はGPU使用率が高いため、ぼかしも重い場合は「なし」推奨
3. ノイズ抑制の設定を確認
- 「音声」→ 「オーディオ設定」
- 「自動利得制御」「エコーキャンセル」はオン推奨
- 「ノイズ抑制」が「自動」なら、必要に応じて「低」に設定
背景ぼかしは、リアルタイムで映像を処理する必要があるため、GPU(グラフィックス処理ユニット)に大きな負荷がかかります。特に、搭載GPU が弱いノートPCでは顕著です。
会議中に今すぐ軽くする応急処置
既に会議が始まっている場合、これらの応急処置を実施してください。
- ビデオをオフにする — Zoomの「ビデオを停止」をクリック(効果:即座、負荷削減:30~50%)
- 背景ぼかしをオフにする — 背景ボタンから「なし」を選択(効果:20~30%削減)
- 他のブラウザタブを閉じる — Chrome等の不要なタブをすべて閉じる(効果:5~10%削減)
- スピーカービューに切り替える — ギャラリービューは処理負荷が高い
- マイクのミュート時間を調整 — 「ノイズ抑制」が処理している可能性
PC全体の再起動は会議を中断してしまいます。応急処置で対応し、会議後に根本的な対策を講じてください。
根本的に改善する方法
①回線の根本的改善
診断結果が「回線が原因」の場合、以下の対策を検討してください。
優先順位1:有線LAN化(コスト:¥1,000~2,000)
USB有線LANアダプタを購入し、常に有線接続を心がけます。これだけで、Wi-Fi混雑の影響を完全に排除できます。
Wi-Fiは複数のデバイスで帯域を共有するため、周囲の利用状況に左右されます。一方、有線LANはPC専用の接続となるため、混雑の影響を受けません。
優先順位2:Wi-Fi6対応ルーター導入(コスト:¥5,000~15,000)
現在のWi-Fi 5(802.11ac)ルーターを使用している場合、Wi-Fi 6(802.11ax)ルーターへのアップグレードで 通信速度が2~3倍向上する可能性があります。
| Wi-Fi規格 | 理論上の最大速度 | 実効速度(目安) | Zoomの安定性 |
|---|---|---|---|
| Wi-Fi 5(802.11ac) | 1.3 Gbps | 200~400 Mbps | △(混雑時に低下) |
| Wi-Fi 6(802.11ax) | 9.6 Gbps | 500~1,200 Mbps | ◎(混雑時に強い) |
優先順位3:回線契約の見直し(コスト:月¥500~2,000)
時間帯で症状が変わる場合、ISP側の回線混雑が原因の可能性があります。この場合、以下を検討してください。
- 通信速度が遅いプロバイダから高速プロバイダへの変更 — 光回線の「ベストエフォート」から「フレッツ光クロス」など高速回線への乗り換え
- ポケットWi-Fi/モバイル回線の契約 — バックアップ回線として、会議が重要な場合に使用
②PCスペックの根本的改善
診断結果が「PC性能が原因」の場合、以下を検討してください。
優先順位1:不要なバックグラウンドアプリの無効化(コスト:無料)
Windowsのスタートアップアプリを管理する
- Ctrl + Shift + Esc でタスクマネージャー起動
- 「スタートアップ」タブを選択
- 「影響度」でソート(降順)
- 不要なアプリを選択 → 右クリック → 「無効にする」
- PC再起動
注意:ウイルス対策ソフト、Dropbox、OneDriveなどの重要なアプリは有効なままにしてください。
優先順位2:メモリ増設(コスト:¥3,000~8,000)
PCを確認して、搭載メモリが以下未満の場合、増設を検討してください。
- Windows: 8GB 未満 → 16GB への増設推奨
- Mac: 8GB 未満 → 16GB への増設推奨
Windows:Ctrl + Shift + Esc → タスクマネージャー → メモリ欄確認
Mac:About This Mac → メモリタブで確認
優先順位3:SSD交換/追加(コスト:¥5,000~15,000)
HDD(回転ディスク)を使用している古いPCの場合、SSDへの換装により処理速度が大幅に向上します。
再発防止のための環境改善策
月1回の定期メンテナンス
会議前の準備チェックリスト
重要な会議の30分前にこれをチェック
- 不要なアプリをすべて閉じる(Chrome、Slack など)
- Wi-Fi or 有線LAN の接続確認
- Zoom アプリを最新版に更新
- マイク・カメラのテスト
- 背景・ビデオ設定の確認(HD不要なら無効化)
- ルーターのLEDランプが正常点灯か確認
- スマートフォンをマナーモードに(Wi-Fi帯域圧迫対策)
Q&A:よくある質問
Q1:有線LANアダプタはどれを選べばいい?
A:USB 3.0以上対応の有線LANアダプタを選んでください。
- 推奨:ギガビット対応(1000 Mbps)アダプタ
- 価格:¥1,500~3,000
- ブランド:BUFFALO、LOGITEC、ASUS など
USB-C or USB-A かは、PCのポート形状で判断してください。
Q2:Zoomの設定は毎回変更する必要がある?
A:いいえ。一度設定を軽くすれば、その設定は保存されます。
ただし、以下の場合は手動で設定してください:
- 背景ぼかしは会議ごとに「なし」に設定(保存されないため)
- 重要な会議(営業、面接)では事前に設定確認
Q3:回線速度が Zoom 推奨値に達していないが、どうする?
A:以下の優先順で対応してください。
- Wi-Fi → 有線LAN に切り替え(効果:50~70%向上の可能性)
- ビデオ設定を「HD無し」に変更(必要帯域が 50% 削減)
- ルーターを 5GHz に切り替え(Wi-Fi 6 なら 2~3倍高速)
- 上記すべても改善しなければ、プロバイダ変更を検討
Q4:何もしていないのに突然 Zoom が重くなった。なぜ?
A:以下の3つが考えられます。
- ①周囲のWi-Fi混雑が増加:マンション内の利用者が増えた
- ②PC内のストレージが満杯:空き容量が少なくなると、処理速度が低下
- ③Zoomまたはマルウェアが自動更新:タスクマネージャーで確認
この場合、ルーターの再起動と PC の再起動を試してください。
Q5:Mac/iPhone からは快適だが、Windows だけ遅い。原因は?
A:これは Windows PC の問題です。
- 原因候補:バックグラウンドアプリの不具合 or ウイルス対策ソフトの過負荷
- 対処:タスクマネージャーで CPU 使用率を確認し、「svchost.exe」「SearchIndexer.exe」「Windows Update」が占めていないか確認
- 改善方法:PC の再起動、または ウイルス対策ソフトを一時的に無効化して確認
Q6:会社支給の PC は設定変更できない。何ができる?
A:以下の対策は、IT管理者の許可がなくても実施可能です。
- ◎実施OK:有線LAN接続、ビデオ設定を「HD無し」に変更、不要なタブを閉じる
- △要相談:バックグラウンドアプリの無効化、ウイルス対策ソフトの設定変更
- ✕できない:ドライバ更新、メモリ増設、OS更新
IT管理者に「Zoom が重くて会議に支障が出ている」と報告し、有線LAN接続環境の整備をリクエストすることをお勧めします。
Q7:スマートフォン(iPhone/Android)から Zoom する場合は?
A:スマートフォンは PC ほどの最適化が必要ありませんが、以下を推奨します。
- ②Wi-Fiで接続:4G/5G より Wi-Fi が安定
- ②不要なアプリを閉じる:メモリ使用量を削減
- ③Zoom アプリを最新版に更新
- ④バッテリー節約モードをオフに:バッテリー節約モードは処理速度を低下させます
まとめ:5分で実行できる応急処置フロー
今すぐできる対処法(優先順)
【1分以内】
- Zoomステータスページでサービス障害を確認
- ルーターの再起動(電源を切って30秒待ち、再投入)
【2~3分】
- Wi-Fiを有線LANに切り替え
- 不要なアプリを閉じる(Chrome、Slack など)
【3~5分】
- PC を再起動
- Zoom 設定を軽くする(HD無効、背景オフ)
【改善しない場合】
- 回線速度測定(Speedtest)を実施
- PCスペック確認(メモリ、CPU使用率)
- プロバイダ or IT担当者に相談
Zoomのトラブル 90% は、「回線」「PC」「設定」のいずれかで解決します。焦らず、この記事のチェックリストに沿って、一つずつ確認してください。それでも改善しない場合のみ、プロバイダや IT サポートに相談することをお勧めします。
